
「生成AIを会社でも使いたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」
熊本で生成AIの導入支援をしていると、経営者や現場のリーダーからこの相談を一番よくいただきます。ChatGPTを個人で触ってみた人はいるけれど、会社として導入するとなると、セキュリティ、ルール、教育、費用と、考えることが急に増えるからです。
この記事では、中小企業が生成AIを社内に導入するときの手順を、5つのステップに整理しました。40社以上の導入をご支援してきた経験から、つまずきやすいポイントと、その避け方もあわせてお伝えします。
まず、うまくいかない会社に共通するパターンを知っておきましょう。
この3つは、ツールの問題ではなく導入の手順の問題です。順番を守れば、どれも防げます。
最初にやるのは、ツール選びではなく業務の棚卸しです。
各部署で「毎日・毎週やっていて、時間がかかっている定型業務」を書き出してもらいます。たとえば次のようなものです。
書き出したら、「頻度が高い」×「判断が単純」な業務から1〜3個に絞ります。ここで欲張らないことが大切です。最初の対象を絞るほど、効果が測りやすく、次の展開の説得材料になります。
「情報漏えいが怖い」を解消するステップです。ここを飛ばすと、現場は安心して使えません。
難しい規程は不要です。A4一枚で、次の点だけ決めておけば十分に機能します。
個人向けの無料プランは、入力内容がAIの学習に使われる設定になっていることがあります。会社で使うなら、学習に使われない法人向けプランか、自社専用のクラウド環境のどちらかを選びます。
私たちがよくご提案しているのが、オープンソースのAIアプリ開発プラットフォーム「Dify」を自社専用のクラウド環境に構築する方法です。VPNやIP制限で社外からのアクセスを遮断できるうえ、エンジニアでなくても業務用のAIチャットボットを画面操作で作れます。社員が増えても1人あたりのアカウント料金がかさまない点も、中小企業には大きなメリットです。
Difyそのものについては、【Difyとは?】ノーコードでAIアプリを作れる魔法のプラットフォーム!?でくわしく解説しています。
環境ができたら、ステップ1で選んだ業務で2〜4週間のトライアルを行います。対象は1部署、数人で十分です。
ポイントは、始める前に「何を測るか」を決めておくこと。おすすめは「その業務にかかっていた時間」です。
| 業務 | 導入前 | トライアル後 |
|---|---|---|
| 問い合わせメール返信(1件) | 約15分 | 約5分 |
| 会議議事録(1回) | 約60分 | 約20分 |
| 請求書の転記(10件) | 約40分 | 約5分 |
※数値は記事用の一例です。実際の効果は業務内容によって異なります。
「月に〇時間減った」と言えるようになると、経営層への説明も、他部署への展開も、一気に進みやすくなります。
トライアルで効果が見えたら、使える人を増やすフェーズです。ここで「使う人が数人で終わる」問題を解消します。
研修は2段階に分けると定着しやすいです。
コア人材が自分の部署の「AI担当」になると、現場の細かい困りごとがその場で解決されるようになります。外部の支援会社に毎回聞かなくてよい体制ができることが、長く使い続けるための鍵です。
最近はAIが自分で手順を考えて作業まで行う「AIエージェント」も実用段階に入っています。研修で扱う内容の参考に、AIエージェントとは?中小企業の業務が変わる実演3選もあわせてご覧ください。
導入は「使い始めた日」がゴールではありません。3か月後も使われているかどうかで、成功か失敗かが決まります。
定着のために、次の3つを仕組みにしておきましょう。
この段階では、社内だけで進めるよりも、外部の伴走支援を受けながら業務アプリを増やしていく方が早く進むことが多いです。私たちの支援でも、環境構築・人材育成のあとに「伴走支援」のフェーズを置いているのは、この定着の壁を越えるためです。
「どれくらいかかるのか」も、よくいただく質問です。あくまで目安ですが、次のように考えておくとよいでしょう。
※各サービスの料金は改定されることがあります。最新の金額は公式サイトでご確認ください。
できます。むしろ、専任の情シスがいない中小企業こそ、最初から自社専用環境と運用ルールをセットで整えておくことをおすすめしています。環境の構築や保守は外部に任せ、社内では「使い方」に集中する体制が現実的です。
「文章を書く業務」と「書類から転記する業務」です。どの会社にもあり、効果が時間で測りやすく、失敗してもやり直しがきくからです。
生成AIの導入や研修に使える補助金・助成金は、年度や自治体によって変わります。ご相談の際に、そのときに利用できる制度をあわせてご案内しています。
株式会社mimuは、熊本初のDify専門導入支援企業として、セキュア環境構築・人材育成・伴走支援の3フェーズでこの手順をまるごとご支援しています。「うちの業務だとどこから始めるべきか」といった段階のご相談も歓迎です。