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「ここはどこ?」では当たらない。生成AI研修のアイスブレイク「チーム対抗ジオバトル」の作り方

「ここはどこ?」では当たらない。生成AI研修のアイスブレイク「チーム対抗ジオバトル」の作り方

生成AI
公開日:2026/9/28
目次
  • なぜ研修の最初にゲームをするのか
  • チーム対抗ジオバトルのルール
  • 「ここはどこ?」では当たらない
  • 結果と、勝ったチームのコツ
  • 本編の課題設定:架空企業の「ヒヤリハット報告」
  • 自社でアイスブレイクを設計するときのポイント
  • 生成AI研修のご相談

2026年8月末、熊本県内の企業様で、Geminiを題材にした社内向け生成AI研修を実施しました。この記事では、その研修の冒頭で行ったアイスブレイク「チーム対抗ジオバトル」の設計と、本編に入る前の課題設定の考え方をご紹介します。「研修の最初の15分で、全員がAIに話しかけている状態」を作るための工夫です。

なぜ研修の最初にゲームをするのか

参加者に聞くと、ほぼ全員がGeminiを使ったことがありました。それでも、研修の場でいきなり「では業務データをAIに入れてみましょう」と始めると、手が止まる人が出ます。慣れている人と初めての人の差が、最初の10分で見えてしまうからです。

そこで今回は、業務とは関係ない「遊び」から入りました。チーム対抗で、AIを使わないと勝てないゲームです。勝ち負けがあると、自然に隣の人と画面を見せ合い、「どう聞いたら当たるのか」をチームで考え始めます。これが、あとの業務ハンズオンでそのまま効いてきます。

チーム対抗ジオバトルのルール

元ネタは、ストリートビューの画像から場所を当てる「GeoGuessr」というゲームです。今回は講師側でHTMLの教材を用意し、以下のルールで進めました。

  • チーム:2〜3人で1チーム。使うパソコンはチームで1台だけ
  • お題:ストリートビューの画像が表示される。地図にピンを立てて回答し、正解地点との距離が一番近いチームの勝ち
  • AIの使い方:画面をキャプチャして、別タブで開いたGeminiに貼り付けて場所を聞く
  • 作戦タイム:スタート前に1分。パソコンには触らず、誰がどの順番で操作するか、どんな指示をAIに出すかを話し合う
  • 制限時間:6分。30秒ごとに操作する人を交代する

「30秒ごとに交代」がこのゲームの肝です。一人が操作し続けると、他のメンバーはただ見ているだけになります。交代を強制すると、いま何をAIに聞いていて、次に何を聞くべきかをチーム全員が把握していないと進めなくなります。立ち上がって交代した方がやりやすいので、白熱してくると全員が立ってプレイしていました。

「ここはどこ?」では当たらない

ゲームを始める前に、プロンプトの良い例と悪い例を1つずつ見せました。

悪い例:画像を貼って「ここはどこですか?」

これだと、AIは画像全体の雰囲気から一発で場所を推測しようとします。当たることもありますが、外れたときに次の手がありません。

良い例:「あなたは探偵です。この画像の特徴から場所を特定したいと思います。まず、手がかりになりそうな特徴を列挙してください」

役割を与え、いきなり答えを出させずに「まず特徴を挙げる」という手順を踏ませます。看板の言語、車のナンバープレートの形、建物の様式、道路標識などが列挙されるので、そこから「この看板の文字は何語か」「この地方の候補都市を3つ挙げて」と深掘りしていけます。

これは業務でAIを使うときも全く同じです。「この資料を要約して」より、「あなたは経理担当です。この資料から、支払期限に関わる箇所をまず抜き出してください」の方が、精度も次の一手も良くなります。ゲームの中で体感してもらうのが狙いでした。

結果と、勝ったチームのコツ

各チームの誤差は、71km、4.5km、610m、そして最良チームは71mでした。ほぼ正解地点です。

勝ったチームにコツを聞くと、こう答えてくれました。

  • 画像の中から、英語の看板や地名が写っている部分を探す
  • 画像全体ではなく、その部分だけを切り出してGeminiに送る
  • 候補が出たら、ストリートビューで実際にその場所を見に行って照合する

「AIに渡す情報を絞る」「AIの答えを人が確かめる」という2つは、業務でのAI活用でそのまま使える型です。研修の冒頭でこれが参加者の口から出てきたのは、狙い通りでした。

本編の課題設定:架空企業の「ヒヤリハット報告」

アイスブレイクのあとは、Geminiの3つの機能(Gem・Canvas・GAS)を使ったハンズオンに入りました。ここで工夫したのが課題の設定です。

題材は「ヒヤリハット報告」にしました。社外に送るつもりのないメールを送りそうになった、といった、事故には至らないが危なかった出来事の報告です。どの職場にもあり、部署を問わず自分ごとにしやすいテーマです。

ただし、実在の社内データは使いません。架空の企業「株式会社みどり商事」を設定し、2026年5月〜8月のヒヤリハット報告50件を講師側で用意しました。運用ルールも決めておきます。

  • 報告は匿名でよい
  • 犯人探しはしない
  • 対象は一般業務の「事故未満」のものだけ

架空データにする理由は2つあります。1つは、研修中に機密情報や個人情報をAIに入れてしまう事故を防ぐため。もう1つは、全員が同じデータで進めることで、つまずいた人を隣の人が助けられるようにするためです。研修で学んだ流れを、そのあと自社の実データに置き換えてもらう、という順番にしています。

自社でアイスブレイクを設計するときのポイント

  • AIを使わないと勝てないゲームにする:知識や経験で勝てるゲームだと、AIを使わない人が出ます
  • 操作を強制的に交代させる:30秒交代のような仕組みで、見ているだけの人をなくします
  • 作戦タイムを設ける:パソコンに触る前に「何をAIに聞くか」を言葉にする習慣をつけます
  • 良い例と悪い例を先に見せる:「ここはどこ?」の失敗を先に見せておくと、ゲーム中に自分たちで改善し始めます
  • 勝ったチームにコツを語らせる:講師が言うより、参加者の言葉の方が残ります

生成AI研修のご相談

株式会社mimuでは、Gemini・ChatGPT・Claudeなどを題材にした企業向けの生成AI研修を行っています。今回のように、参加者のレベルに合わせたアイスブレイクや、自社の業務に近い架空データを使った課題設計まで含めてご提案します。

「社員のAI利用に差がある」「研修をやったが定着しなかった」といったお悩みがあれば、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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本名:森田幸輔 |1988年生まれ、熊本県出身 | 現:mimu代表取締役
工業高校時代、同級生がト◯タの工場に就職する中、『クーラーの効いた部屋で働きたい!』という欲望のままにITの専門学校に入学。卒業後、東証一部上場企業のグループ会社で入社1年目からプロジェクトマネージャーとして15年間業務。大手企業や行政案件を担当。
NFTや生成AIなどの最新技術の面白さに魅了され、独立。株式会社mimuを設立。
「挑戦している人をITの力で応援する」を理念に、生成AI導入支援や目標達成支援のサービスを展開。
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